店主の日記/2017-08-12
カメラ修理のご依頼が多いOM-1 その2
5月の頃にもご紹介いたしました様に、カメラ修理のご依頼の一番多い機種は何と言ってもオリンパスOM-1です。様々な状態で当店にやってきますが、1)プリズム腐食、2)露出計不動、3)巻上げ出来ない、が、そのカメラ修理の大半です。
こんな具合でOM-1に限って言うとブログネタもなくなってきていますが、今回の個体の症状はそれらとは違い、巻き上げレバーがセルフリターンしないということでした。早速、トップカバーを外して様子をみます。確かに巻き上げはできますが、レバーの戻りはスプリングが効いた状態ではなく、スカスカです。
OM-1のカウンターユニットは3本のネジで上から止められているだけで、巻き上げのラチェット機構及びギア・軸と一緒に上側に取り外します。また細いスプロケット軸は上から挿入されているだけです。これは製造コストダウンのための改良と思われます。
それはM-1も含む初期型は軸とスプロケットがネジ止めされていて、アンダーカバー側の電池ボックスを外して、その内側の左ネジを緩めないと外れないことからの推察です。
ネジ1個とその組み立て工数でどのくらいのコストダウンになったかはわかりませんが、他にもコストダウンと思われる改良が見受けられます。オリンパスのカメラはOMに限らずこうした、型式が変わらない中身の小改良が他のモデルでも見受けられます。社風かもしれません。
さて、この個体の故障の原因は簡単でした。捻りバネ端部が折れて空回りし、バネ力がかからなくなっていただけでした。幸い、折れた小さいバネ端も見つかり、どこかのギヤやリンクに挟まっているということもなく、修理箇所はそこだけで済みました。B級部品と交換しました。
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