古いフィルムカメラの修理専門の東京カメラサービス浜松店です。フィルムカメラ初心者にも丁寧な説明します! 静岡県浜松市

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2018/3/27 (火)

コンパクトフィルム一眼レフ(ペンタックスME Super)

カメラ修理・ペンタックスME Super

ペンタックスME Superは1979年に発売されました。それまでの絞り優先のペンタックスMEに押しボタンによるシャッタースピード調整機能を付加し、シャッタースピード優先AEでも使用できる様になった機種です。また、シャッタースピード最高速も1/2000となりました。

このME系統のカメラ(ME,MG,MV-1,ME_Super)は共通した故障がある様で経年変化によってミラーボックスの機構に使われているクッションのゴムブッシュがダメになり、「ミラーが下がらなくなった」とか「巻き上げが出来ず、もちろんシャッターも落ちない」というような症状となります。

この個体はその症状が出ていない状態のカメラでしたが、そうは言っても必ずこの症状が発生すると思われますのでゴムブッシュを交換しました。このゴムブッシュを取り替える作業よりも、実はファインダースクリーンの清掃はやや面倒だと感じています。というのは、ファインダーのLED表示部の隙間にモルトが使われており、経年でボロボロになったそのモルトがきれいに取り切れず、どこからかスクリーンの上に乗ってしまうことがあります。こうなるともう一度バラして掃除しなければなりません。組み立て前にはモルトのカスに気をつけてはいるのですが、このカメラの修理ではこういうことが何度かありました。

オーナーはコンパクト一眼レフファンの様で、このカメラ修理後もペンタックスMXやオリンパスOM-1などの程度の良いものばかりをどこかで入手されては当店で整備をされています。これからも長くお使いいただける様、しっかり整備しました。

画像がいまいちですね。すみません。



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2018/3/21 (水)

KIRON 28mm,F2.0 OMマウント

KIRON,レンズ清掃
KIRON,レンズ清掃

KIRONという聞きなれないレンズの清掃を承りました。普段はカメラメーカー以外のレンズ清掃はお受けしないのですが、当店レピーター様ということもあり、お引き受けすることとしました。OMマウントでF2.0という明るいレンズです。本家オリンパスにもこの明るさのレンズはあるようですが、見たことはありません。普通はF2.8です。絞りでたった一つ分ですが、明るさは倍になります。写りがとても気になります。

調べてみると、このレンズはキノ精密工業という会社が1980年から発売した自社ブランドレンズですが、1989年には写真レンズより撤退してしまい、わずか9年間の生産だったようです。キノ精密工業はアメリカの写真用品会社であるVivitar(ビビター)の交換レンズのサプライヤーでもあり、VivitarにはペンタックスKマウントのカメラ(これは中国のサプライヤー)があったのでVivitarブランドのKマウントのものは多かったのではないかと思います。

オーナーはもちろんOM-1をお持ちで、当店で修理させていただきました。最近流行りのミラーレスカメラにマウントアダプターでフィルム時代のレンズをつけると言った使い方ではないようです。

本品はお預かりしたときからヘリコイドのジャリジャリ感がありました。砂が入ってしまっていることは間違いないのですが、分解し始めて驚きました。どこから入ったのか砂だらけです。全分解し、洗浄、ヘリコイドグリスも塗り直しました。また当店資料としていつもより多めに画像を残しました。



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2018/3/11 (日)

ハーフサイズカメラの原点

カメラ修理・オリンパス・ペン


オリンパス・ペンの初代機の修理を承りました。

1959年に6,800円の価格で発売されたそうです。その頃の大卒初任給が12,000円ぐらいだそうですからその半分の価格ということになります。まだまだ高価だと思いますが爆発的に売れ、コンパクトカメラの代表となりました。その写りもライカのサブ機として使える小型カメラを目標に開発されており、レンズ周りの設計的、原価的妥協なしのカメラです。

その後発売されたペンEEが誰でも使えることを目標としたことに比べると露出計なし、ピントは目測でやや敷居が高いかも知れません。フィルム巻き上げはノブがカメラ背面に飛び出し、ダイヤルのギザギザに親指の腹を擦り付けて巻き上げる構造で「リヤーワインディング」と呼ばれています。同様の方式は現在でも撮り切りカメラでおなじみですがこれがオリジナルです。

この個体は過去に分解されているようで、フィルムカウンターの固定ネジのカニ目穴が随分大きく広がってしまっていました。分解時の工具が適当でなかったものと考えられ、プロの仕事ではないようです。オーナーもこれが気になっているようで交換を希望されましたので中古良品と交換いたしました。



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2018/3/8 (木)

キャベジンは知っているけど

カメラ修理・コーワ6MM

コーワ6MMの整備を承りました。このカメラは1968年に発売されたコーワ6の改良機で1972年より販売されたものです。
コーワはあのキャベジンとかバンテリン等の医薬品メーカーとしておなじみですが、かつてはカメラ事業も展開していました。現在も望遠鏡や双眼鏡は製造しており、プロミナーのブランドが使われているようです。

先週レンズ部分のみご紹介したのですが、これがカメラ全体の画像です。ボディ側にはほとんど問題がなかったため、お客様のご要望通り、モルト(遮光用のスポンジ)を交換したのみです。シャッターのスローが不調ということでしたのでレンズを分解することになりました。また、ヘリコイド(レンズ送り出しのネジ部)グリスも劣化しているのかスムースでないので分解し、グリスを塗布しました。

このコーワ6MMはシャッターが交換式レンズの鏡筒内に入っている120フィルムの一眼レフで、ハッセルブラッドと同じ仕組みです。シャッター不調の時はレンズを分解しなければなりません。確かに部品が多くて面倒ですがシャッター自体は見慣れたセイコーのシャッターで他のレンズシャッター機となんら変わりはありません。スローガバナーを清掃してシャッターも快調になりました。整備完了です。



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2018/3/1 (木)

コーワシックスMMのレンズ

カメラ修理・コーワシックスMM

只今、コーワシックスMMの修理を承っております。コーワシックスについてネットで画像を見ていますと、なぜかレンズの分解写真が多いような気がします。確かに部品点数が多く、ぱっと見、複雑感があるためでしょうか?

でもそんなに複雑なものではないです。真似して当店も画像をアップしておきます。ハッセルブラッドと同じようにレンズにシャッターユニットが入っているだけのことです。しかも、シャッターユニットはセイコー製でよく修理させていただくレンズシャッター機と何ら変わりはありません。

スローシャッターが不調で、ヘリコイドグリスが抜けてスカスカしたような状態です。画像はヘリコイドのグリス交換中のものですが、レンズヘリコイドもダブルヘリコイドで一般的な一眼レフの交換レンズと同じ作りです。

コーワシックスMMについては後日ご紹介します。



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