古いフィルムカメラの修理専門の東京カメラサービス浜松店です。フィルムカメラ初心者にも丁寧な説明します! 静岡県浜松市

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2018/8/28 (火)

サンキュッパ

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リコーXR500の整備をお引き受けしました。オーナーは地域の骨董市で購入されたとのことです。このカメラの他にペンタックスSPの見積依頼もいただきましたが、こちらを整備されると言うことでカメラが遠く岩手県から送られてきました。当店も岩手県のお客様は初めてです。同門修理人が岩手にいるのですがお引き受けしたのは当店です。お客様とは縁も大きく働きますね。

リコーの一眼レフは早くから作られていたようですが、ほとんどが営業部門からの要求で輸出用だったようです。レンズマウントもM42スクリューマウント、別の言い方をすればプラクチカマウントで、ペンタックスSPがその代表です。話が外れましたが、このXR500は1978年、先行のXR-1、2に続く形で高性能、低価格を売りに発売されたカメラです。50mmF2.0のレンズ付きで39,800円と画期的な価格でした。レンズマウントはXR-1に続きペンタックスKマウントを採用しています。このレンズマウントの共通化も業界では初めてのことです。

シャッターはコパルの金属幕縦走りシャッターを採用、XR-1の普及価格版ということもあり、シャッタースピード最高速はXR-1の1〜1/1000に対して、1/8〜1/500までとなっています。普及価格版ゆえのスペックダウンですが、実際は1/1000まで可能で、ダイヤルが1/1000のポジションに回らないようにしただけのものと聞きます。コパルもわざわざ1/500のシャッターを製造する積極的理由もなかったのでしょう。設備投資する代わりに使用機種限定でディスカウントしたユニットを納入したのでは無いでしょうか?

レンズは写りが良いということで、一部のマニアに人気があり、「和製ズミクロン」などと呼ばれているようです。カメラも軽量で、写真を楽しむには何んの不足もないと思いますし、ブランドや当初の販売価格から不当な扱いを受けているような気がします。

この個体は合皮ケースに入っており、大変きれいな状態でした。メモでは露出計が不動とのことでしたが、電池の向きが逆でした。露出計の調整、モルト交換、レンズ清掃等の整備を行い、終了です。



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2018/8/20 (月)

世田谷光機

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随分長いことブログをお休みしてしまいましたが、店主も元気にカメラ修理をやっています。何かをきっかけにブログを休むとそのままズルズルとしてまう、悪い性分です。

さて、今日ご紹介するのはマミヤ35です。オーナーは60歳を過ぎた浜松市内の方で、店にお持ち込みになりました。お話を聞くと、「子供の頃に親父が使ったのが最後だから50年以上は使っていない」とのことでした。
シャッター羽根が油分で粘って開きません。ファインダーも汚れて二重像がはっきりしません。各部点検修理(総合整備)をさせていただくこととなりました。

マミヤといえば、まず、中判(120フィルム)のカメラを思い出しますが、このマミヤ35は文字通り35mmフィルムを使うカメラで、昭和30年(1955年)に発売されたマミヤ35の2型になります。但し、1型は中判のマミヤ6を35mm版にしたようなものだと聞きますので(見たことがありません)、実質この2型がマミヤ35の初号機と言っても良いかもしれません。ですからオーナーが言うことも間違いなさそうです。レンズの銘板も「SETAGAYA KOKI」となっており、その後の機種は「MAMIYA」となっているようです。

シャッターユニットはセイコー製で分解清掃は慣れたものですが、ファインダー距離計はちょっと曲者でした。ハーフミラー腐食していたため交換することにしましたが、ちょっと手間がかかりました。

眠っていた50年分を取り戻すように撮っていただきたいと思います。



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