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店主の日記/2014-04-13

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Tag: カメラ修理 コダック レチナⅡa

コダックのカメラをカメラ修理

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コダックレチナⅡaのカメラ修理を承りました。外国製のカメラ修理はこのブログでは初めてだと思います。

コダックレチナはドイツコダックの生産で、現在の35㎜パトローネ(ケース)に入ったフィルムは1934年にコダックがこのカメラとセットで世に出したものです。(映画フィルムの)リールから切り出してスプールに巻きつけるという作業がなくなり、カメラがより一般的なものになっていったと思われます。

このレチナⅡaは使用中に巻上げができなくなったとのことでカメラ修理にやってきました。まずシャッターユニットを外し、巻上げを確認しましたがここの問題ではなさそうです。次にシャッターユニットのギヤ(ラック)カバーを外し、手でチャージしてみるとシャッターは切れますが粘っています。絞りも同様に油分でぎらついていますので、分解清掃のカメラ修理を行いました。また、鏡筒周りのネジが全て緩んでガタがありますのでカメラ修理します。どうやら原因はこのガタでした。

つまり、
1)鏡筒のガタでラックと駆動ギアとの噛合いがずれた。
2)巻き上げたが、噛合いがずれたためシャッターチャージする位置まで行かない。
3)シャッターが切れないからフィルム巻上げのロックが外れず、次の巻上げができなくなった。

…ということだと思われます。

このレチナⅡaは1951年に生産開始したものです。いろいろな機能がついてこのⅡa以降もこのカメラは生産がつづくのですが、レチナⅡAにはレンジファインダー(二重像式)がついていて、ファインダーと距離リングとの連動リンクも蛇腹折り畳み時にもうまく格納できるようになっています。また、巻上げは丸ノブを回すのではなくレバー式です。シャッターチャージとフィルム巻上げはラック&ピニオンでしかも直交するシャッターチャージ軸を駆動するシンプルで確実な機構です。またこの直交軸をにスプラインにして蛇腹折り畳み時スライドさせる、また駆動するための巻上げ軸連動直交ラックの発想はメカマニアを魅了します。

小型で持って歩くのにもいいし、店主も1台欲しくなりました。

2016-11-14 「レチナⅡA」を「レチナⅡa」に修正しました。



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