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店主の日記/2015-11-02

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Tag: カメラ修理 キャノン キャノネットQL17

昭和のモダンデザイン

キャノネットQL17のカメラ修理を承りました。

キヤノン・キャノネットQL17

1965年にそれまでの初代キャノネット、キャノネットSの後継として登場しました。今見るとやや大ぶりな感じがしますがデザインはモダンだと思います。

初代キャノネットはセレン光電池を使ったシャッタースピード優先のAEでしたが、キャノネットS以降のこのカメラを含むキャノネットは全てCdS式となっています。本機が使用している電池はMR-50(HP型)電池で、現在購入できる電池での使用を考えると電池ボックスに一工夫しなければなりません。

QL17の「QL」はクイックローディングの略で、フィルム装填を簡単にするための機構です。フィルムの端を赤いラインにおいて裏蓋を閉めて巻き上げるとスプールにフィルムが巻きつく仕掛けになっています。この当時のキヤノンのFTやFTbにも採用されています。

またQL17の「17」はレンズの開放値F1.7の意味です。このキャノネットには他に「QL19」と「QL25」があります。レンズの差で価格も違っていたようですが、「QL25」について言えば、シャッタースピードも1/15まで、フラッシュ接点もXのみとしています。

この個体はシャッター切れず、ファインダーくもり、電池ボックス蓋が開かないということでお預かりしました。現品確認では更にヘリコイドグリス抜けで距離リングがスカスカです。

電池ボックス蓋は定番の電池液漏れによるものです。MR-50が中に入ったままでしたが、液漏れで蓋のネジ部、接点や配線まで腐らせ、電池自身ももとの姿ではありませんでした。電池はLR-44使うこととし、電池ボックスには改造を加えずスペーサー等を入れることで対処しました。

シャッターの切れない理由は軽い粘り(油分が羽根に付着して動きが悪い)の状態の上にセルフタイマーが少し掛かっていて、しかもこちらは油ぎれで不動のためという複合原因でした。粘りは絞り羽根の方がひどく、こちらは固着していました。これらは分解清掃で解決しました。



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