店主の日記/2017-03-29
なんか羨ましい
ニコンFのカメラ修理を承りました。1959年に発売された1眼システムカメラで、後にFマウントと呼ばれるバヨネットマウントを備え、各種レンズが発売されました。またファインダー・スクリーンも交換式でフォトミックファインダーと呼ばれる露出計内蔵のフィンダーも用意されていました。
オーナーはお持ち込みの浜松在住の方、このカメラだけで50年ということで、ご年齢も店主の両親に近い方でしたが大変お元気でした。カメラ修理できるならまだ使いたいということで浜松駅前の某カメラと家電のチェーン店に持ち込み、当店を紹介されたとのことでした。某店様、大変ありがとうございます。
この個体の最大の問題はフィルムカウンターが動かなくっているということでした。カウンターのところをぶつけたのが原因ではないかとおっしゃっていました。また、片側のストラップ吊り金具の穴がストラップリングと擦れているうちにちぎれてしまっていることで手を切りそうなため、ガムテープを貼ってある、ファインダープリズムがガタついて「カタ音」がする、ファインダースクリーンはゴミで汚れ放題と使い込まれ、満身創痍でした。
このカメラは裏蓋を外す(開けるではない)とフィルムカウンターロックのプッシュロッドがバネの力で戻る様になっているのですが、油ぎれで動きが悪くなっていました。これがカウンター動作不良の原因でした。また、プリズムのガタつきは打つけたのが原因と思われます。プリズム頭頂部がちょっと欠けてしまっていますが実用的には問題なさそうなので取り付け金具の曲がりを修正してガタつきを解消しました。吊り金具も取り付け寸法、吊り穴寸法のよく似たものをK社の1眼に見つけ、交換しました。
写真ライフが50年以上も1台だけで済んだのですから、なんか羨ましいです。
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